ご挨拶


 私儀この度、第7回日本シミュレーション医療教育学会学術大会会長を仰せつかり、 2019921日(土)の1日間、日本医科大学千駄木校舎教育棟/橘桜会館におきまして学術大会を開催させて頂くこととなりました。 日本シミュレーション医療教育学会は、平成2571日付けで、旧日本MS医学教育研究会と旧医療教育スキルスラボ研究会が発展的対等合併を行い、新しく「日本シミュレーション医療教育学会」として発足しました。今回で7回を迎えます。全国各施設より、毎回約40題の発表演題があり、主として今後の医学、歯学、薬学、看護学など医療系分野を担う先生方の発表の場となっております。発表討議は活発に行われ、即日常トレーニング・診療につながる情報交換が行われており、最新の知見が得られる機会となっています。

 

 今回のテーマは「シミュレーション医療教育の近未来:シンギュラリティは何処に」と致しました。AlphaGoPonanzaといったソフトが囲碁や将棋で人間に勝利し、自動運転の乗用車が開発されるなどこの23年で人工知能(AI)やRobotに関する関心は一般社会でも急速に高まりました。人工知能の権威である、レイ・カーツワイル博士は少なくとも2045年までには人間とAIの能力が逆転するシンギュラリティ(技術特異点)に到達すると提唱しています。医療の現場でもすでに診断へのAI活用、リハビリテーションや外科手術でのRobotの導入は至る所で研究されています。当然のことながら教育の分野でも同じことが言えるでしょうし、特にシミュレータはこれらの技術革新の恩恵を受けやすいものかもしれません。今、医学教育、そしてシミュレーション医療教育の現場では、医療のみならず社会全体を取り巻くこの趨勢をどのように捉え、予測しているのでしょうか?現場で進められる教育改革にどのように組み込んで行けばよいのでしょうか?大変大きなテーマですので、あくまでも問題提起に留まる可能性もありますが、いくつかのデモンストレーションも提示しつつ、先生方の間で活発な議論が行える場を提供できればと考えております。

 

第7回日本シミュレーション医療教育学会学術大会

会長 藤倉 輝道(日本医科大学医学教育センター)